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古川 和男
金属物理セミナー, 6(1), p.11 - 23, 1983/00
溶融塩技術の基礎に関する研究およびその応用の現状に関して、サロン様に解説したものである。同名の解説を1977年に、さらに特に「イオン性液体構造」に関して書いたのを受けて、古川が21年前に提示した「可変形イオン模型」がようやく理解されるようになったことを示し、「実験事実」に対する警告の正しかったことを示した。前に示したLi-Na-Be-FによるMg-Ca-Si-O融体のシミュレーションは一層の保証をえて、地球マントル研究への応用が考えられつつある事を述べた。新しく提案を行った加速器溶融塩増殖炉の概要と、協力を望む研究課題を紹介した。この仕事はまた慣性閉込め核融合ハイブリッド溶融塩炉へと将来発展しうることも示した。これらはまた、科学が技術への応用と密接に関連することによって、活発かつ健全な発展をするものであることを例示したものでもある。
古川 和男; 塚田 甲子男*; 中原 康明
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(1), p.79 - 81, 1981/00
被引用回数:25 パーセンタイル:95.65(Nuclear Science & Technology)今世紀末の核分裂性物質不足解消のために、Th(もしくは劣化U)に高速陽子を当てる加速器増殖炉方式の利用が考えられる。これは苛酷度(1)照射損傷、(2)熱除去、(3)target物質のshufflingなどの困難を持つが、工学的実現性の高い最初の炉概念設計を提示することができた。これはtargetおよびblanketに一種類のTh(またはU)含有溶融弗化物を使用するもので、(a)中性子物理的計算結果は軽原子の影響が殆ど無視できる優れたものである。(b)上記三問題は心配ない。(c)spallation productsの化学処理も量が少なく大きな問題とはならない。(d)必要電力は充分自給できる。(e)構造極めて単純、未臨界系で化学的不活性物質であるから安全性高い。 大容量加速器(1GeV 300mA)の開発が完成すれば、現実化は容易であろう。